そばだけじゃない!丼ぶりもラーメンも絶品な松戸の「亀鶴庵」

松戸駅と上本郷駅と北国分駅のちょうど真ん中くらい、松戸南部市場の隣にある亀鶴庵さんをご紹介します。
歴史ある佇まいで藍色の暖簾が迎えてくれる、絶メシ食堂です。

絶メシとは、絶やしてしまうには惜しい絶品な町グルメのこと。
色褪せたラーメンののぼりや、店頭に書かれた亀鶴庵の文字。店頭に下がるたばこの看板。昔からたくさんのお腹を満たしてきたであろう年季の入った店構えで、絶メシへの期待が膨らみます。

懐かしい味が期待できそうな外観

店頭にはメニューのほかに食品サンプルも置かれています。
どれもおなじみのメニューが並びます。外からは店内の様子が見えないので、最初はほんの少し入りにくいかもしれませんが、のれんをくぐると、「いらっしゃいませ」と優しい声で迎えてくれますよ。

店内はここだけ昭和に戻ったかのような、どこか懐かしい空間。
テーブル席が4つと、奥には座敷もあります。そして、この雰囲気にぴったりのテレビからはお昼のワイドショー。ああいうところにあるテレビって、つい見ちゃいますね。

昼時は隣の南部市場から流れてくるお客さんで、結構にぎわっています。
市場内の食堂は閉店する時間が早かったり、市場の定休日はやっていなかったりするのですが、ここ亀鶴庵は日曜・祝日のみ休み。平日はランチ難民になる心配はありません。

にぎやかな時間帯もいいのですが、おすすめはランチタイムがひと段落した13時以降。厨房からの調理音と、テレビの音を聞きながらゆったり食事ができます。

メニューは、やはりそば屋なのでそばを推しているようです。
月見やわかめ、たぬきやきつねなどの定番が並び、ちょっと変わったところではカレー南蛮は注文している人も多く、おすすめのようです。
それに、ラーメンやタンメンなど。そば屋ではあるものの、うどんとラーメンのメニューも豊富です。

ご飯ものは、親子丼に牛丼、天丼にカツ丼などの丼ぶりものと、カレー。
定食では、生姜焼きにさば味噌、天ぷらにミックスフライなどがあります。とろろ定食や、もつ煮込み定食もおいしそうです。

ボリューム満点の開花丼とラーメンセット

悩んだ挙句決めたのは、開花丼とラーメンのセット。

みなさんは、開花丼ってご存じでしょうか。
豚肉とたまねぎをたまごで閉じたものですが、関西のほうでは他人丼と言われているものです。

明治時代以前には、日本には豚肉や牛肉を食べる習慣がありませんでした。意外かもしれませんが、たまねぎも明治時代に日本に伝わってきたそうです。そして、明治時代以降に新しい食材を使って、新しい食習慣ができてきて、それを文明開花にちなんで開花丼となったそうです。
もともとは牛肉を使っていたようですが、今では豚肉を使って作ることも多いみたいですね。

開花丼とラーメンが着丼。
セットとは思えないボリューム。これで1000円ジャストはおどろきの安さです。

開花丼は甘じょっぱいいい匂い。一口ほおばると、やっぱり期待通りの懐かしくほっこりする味。甘辛の割りしたがガツンとくるインパクトで、つゆだくのご飯が進みます。
豚肉も大きめな一口サイズで、やわらかいのですが噛み応えもあります。

開花丼ってここで初めて食べたのですが、どこか知っている味でたまに無性に食べたくなります。漬物と味噌汁がついているのもうれしい。

ラーメンは、鶏ガラベースのあっさり醤油スープに、更科風のやや縮れた麺がこれまたどこか懐かしい味。
濃厚スープのがっつりラーメンもいいですが、やっぱり昔ながらのあっさり醤油ラーメンはいつ、どんな時に食べてもおいしいですね。

ランチタイムは市場関係者であふれますが、それ以外の時間帯は、ちょっと遅めのランチをとるサラリーマンや、買い物帰りの主婦、散歩中と思われる老夫婦だったりと、地元の人に愛されていることがよくわかります。一人でのんびりしている人も結構多いのには驚きました。

こんな懐かしい思いに浸らせてくれる亀鶴庵。お近くに来た際は是非お立ち寄りください。

亀鶴庵
住所:千葉県松戸市松戸新田24
アクセス:新京成線「上本郷駅」から徒歩約15分
TEL:047-362-0735
営業時間:8:00~16:00
定休日:日曜・祝日

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。