北総線矢切駅からほど近い場所にある、野菊の墓文学碑と野菊苑。ここはかの有名な小説『野菊の墓』を記念して建立されました。
小説で描かれた風景を感じられる文学碑周辺を、のんびりと散策してみませんか?
作品のファンにとっては、まさしく聖地巡礼!
最寄り駅は北総線の矢切駅で、駅から徒歩約10分とアクセスもいい場所ですよ。
矢切神社の横を通り抜けると、緩やかな坂道の途中に野菊の墓文学碑と歩道橋が見えてきます。
伊藤左千夫の名作『野菊の墓』の舞台
明治39年に発表された純愛小説『野菊の墓』は、松戸市の矢切地区が舞台となっています。
何度もドラマ化や映画化している作品なので、知っている方も多いでしょう。
野菊の墓文学碑は、舞台となった矢切地区に作品を記念して作られました。昭和40年に完成して以来、地元民の憩いの場や観光地としても人気ですよ!
文学碑には作品の一節が刻まれています。
現在は営業していないため外観を見るだけとなっていますが、こちらの野菊庵という建物は明治8年に建てられたとか。歴史を感じる古民家ですね。
また、ちょっとした休憩スペースも設けられているので歩き疲れた方はこちらで休憩してもいいかもしれません。
歩道橋を渡ると野菊苑と展望台が
野菊の墓文学碑の反対側には、野菊苑という公園があります。
こちらは展望台でもあり、天気のいい日は矢切の田園風景と東京のビル群が楽しめますよ!
歩道橋で繋がっているので、文学碑の次は展望台も楽しんでみましょう。
ちなみに野菊園内にあるこちらの像は、野菊の墓の作者である伊藤左千夫……ではなく、矢切地区の整備事業に関わったという人物をかたどった渋谷金蔵翁之像です。
「詳しくは像の裏側をご覧下さい」と書かれていますが、この日は植物がうっそうと茂っていたためよく見られませんでした……。残念!
展望台からの眺めが楽しめる
野菊苑まで来たらぜひ見ていただきたいのが、展望台からの見事な眺めです。
手前に広がるのは矢切地区ののどかな田園地帯。
きっと野菊の墓が発表された時代からこのような風景だったんだろうな、という懐かしい気分にしてくれます。
更にその向こうには東京の高層ビルが立ち並び、松戸市と葛飾区のちょうど境目の風景が楽しめます。
タイミングが良ければスカイツリーや富士山も見られますよ!
近隣の観光名所まで足を運ぶのもおすすめ
野菊の墓文学碑からは近隣の観光名所までも近いので、ついでに楽しんでみてはいかがでしょうか。
江戸川方面に歩いていくと、そこには有名な矢切の渡し乗り場がありますよ。
渡し船に乗って葛飾柴又方面まで行くのもおすすめです。
また、松戸市内で楽しみたいなら北へ向かって戸定邸まで行くのもいいですね。
野菊の墓文学碑から戸定邸までは、徒歩で約30分ほどです。
軽いウォーキングにもちょうどいい距離なので、のんびり松戸市内散策をしてみてはいかがでしょうか。
歩く際は途中休憩できる場所が少ないので、念のため自販機やコンビニで飲み物を買っておくと安心ですよ!
矢切の渡し方面にも見どころアリ
今回は江戸川方面へ歩いてみました。
途中数か所で、野菊の墓の名シーンを描いた小さな石碑を見つけました。
江戸川までの道にいくつか設置されているので、スタンプラリー感覚で一つずつチェックしてみても楽しいかも!
江戸川の手前で坂川という小さな川に差し掛かるのですが、急いで渡らずこちらの橋にも注目してみましょう。
橋のデザインは「野菊と矢切の渡し」です。
こんなところにも作品の世界が反映されているのですね。
橋の脇には野菊の墓の登場人物、政夫と民子が描かれた石碑が設置されています。
このまま道なりに進めば矢切の渡し乗り場、土日のみ営業のやきり観光案内所までたどり着きます。
野菊の墓文学碑から作品の舞台となった矢切の渡しまで歩けば、小説の世界に入り込んだような気分が楽しめます。
文学の世界を感じたい方は、ぜひ聖地巡礼に来てみてくださいね!
野菊の墓文学碑
住所:千葉県松戸市下矢切261
交通:北総線「矢切駅」から徒歩約10分